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2007.02.25

ナイフ

「お前は俺が自殺するんじゃないかと考えて、俺からナイフをとりあげるんだろうが、俺のやりたいようにやらせろよ。」

元気な頃、親父は歯が悪いため、食事の時は愛用のナイフを使ってよく堅い食べ物を切ってから食べていた。
ビニール袋の封を切るときも同じように使っていた。

入院してすぐ、親父はそのナイフを母親に家から持ってこさせたが、病院の看護師にすぐに見つかり取り上げられた。

私がとりあげたわけではないが、親父の中では私のせいになっている。
私であっても取り上げたと思うので一緒ではあるが。

食事の時にそのナイフが必要なのに私のせいで思うように食べられないと言っているのである。
「そんなナイフはずいぶん前に使わなくなってたよ。今、そんな昔のナイフはどこにあるかわからない。」とごまかした。

食べるもの、使うもの、いろいろなことに制約が多い。
今の親父はいろいろなことを次から次へと忘れていっているが、
それもまた幸せなのかもしれない。
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